カテゴリー別アーカイブ: Pediatric Surgery

γδ-T 細胞から産生されるIL-17と胆道閉鎖症 Gasteroenterology

Interleukin-17, Produced by γδ-T Cells, Contributes to Hepatic Inflammation in a Mouse Model of Biliary Atresiaand is Increased in Livers of Patients.

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肺分画症の血管走行

肺分画症を手術する際に最も重要なことは、血管の走行を可能な限り把握し、予期せぬ血管損傷のリスクを最小限に留めておくことと考えられます。しかしその血管走行は単純ではありません。先日、肺葉内肺分画症の血管走行に関して議論があり、復習してみました。 続きを読む

単施設におけるAPSAの単独肝損傷・脾損傷に対するガイドラインの適応について JPS

Application of the APSA Evidence-Based Guidelines for Isolated Liver or Spleen Injuries: A Single Institution Experience
By Michael J. Leinwand, Carole C. Atkinson, and David P. Mooney
Boston, Massachusetts

Purpose
・APSAは1998年に血行動態が落ち着いている肝・脾単独外傷の患者に対する、ガイドラインを提唱した
・本研究は単施設によるガイドラインの使用による効果の解析を示した 続きを読む

小児における鈍的脾損傷と肝損傷に対する短縮プロトコールの正当性 JPS

Justification for an abbreviated protocol in the management of blunt spleen and liver injury in children
Shawn D. St Peter, Scott J. Keckler, Troy L. Spilde,
George W. Holcomb III, Daniel J. Ostlie⁎
Center for Prospective Clinical Trials, The Children’s Mercy Hospital, Kansas City, MO 64108, USA
Received 29 August 2007; accepted 2 September 2007

Objectives
・脾・肝の鈍的外傷の管理としては、通常、外傷グレードに1を足した数の日数の間、床上安静を行う。
・このプロトコールは持続した出血が認められない場合も選択される。
・更に床上安静の期間を短縮したプロトコールを構築するべく、我々の施設での短縮プロトコールの経験を後方視的に検討した。 続きを読む

先天性嚢胞状腺腫様形成異常 ( CCAM ) 病理と疫学

Cystic Lung Lesions
CCAM
Pediatric Surgery 7th Ediion / Coran

小児呼吸器外科へ向けて。復習がてらに呼吸器外科領域の勉強。Pediatric Surgeryはあまりきちんとした記載がないので、いつか英語の成書を買わなければいけませんね。

病理
・大きさは1.0mmから10.0cmに及ぶ
・組織学的特徴
粘膜のポリープ様突起
嚢胞壁内の平滑筋と弾性繊維の増生
軟骨組織の闕失
粘液産生細胞の存在
炎症の欠損
・正常のガス交換には寄与しない
・胎児CCAMは大きく2つの病理に分けられ、Pseudoglandular(偽腺様)とCanalicular(細管状)である
・Stockerは嚢胞の大きさでtypeI-IIIに分けたが、臨床像と一致しなかった
・周産期に同定されたCCAMは解剖学的・超音波所見で2つにカテゴライズされる
5mm以上の大きい嚢胞領域を単数もしくは複数持つもの
微小な嚢胞領域を多数持つもの(超音波ではsolidに見える)
・予後は大きさではなく、上記のlesion typeと嚢胞の増殖能力で決まる
・切除標本を見ると細胞増殖の増加とアポトーシスの減少が観察される
・胎児期に急速に増大し水腫を来したCCAMの胎児期切除標本を見ると、PDGF(血小板由来増殖因子)とその遺伝子発現の増加が認められる
・FGF10を用いたCCAMのマウスモデルを作成されている

疫学
・基本的には片側に発生し、両側は稀で左右さあなし
・下葉が最も多い
・小児期に診断される症例では、肺炎をきたすことが多く、Cyst内のクリアランスの低下によると思われる
・気胸、成長障害などが初発症状となることもある
・性差なし

小児急性膵炎の死亡予測因子 PSI

Pediatric Surgery International
September 2014
Date: 13 Sep 2014
Predictors for mortality following acute pancreatitis in children
Qiang Guo, Mao Li, Yang Chen, Hankui Hu, Weiming Hu

Introduction
・小児の急性膵炎の死亡リスクの報告は今まで為されていなかった

Patients and methods
・対象年齢:0-18歳
・West China Hospitalに急性膵炎で入院した児
・2002年-2012年
。小児における死亡の独立因子を多変量ロジスティック回帰分析で解析

Results
・小児急性膵炎の原因:胆道疾患23%、薬剤20%、特発性19%、外傷10%
・死亡率5%
・平均入院期間13日
・入院中の臓器不全は371人中24人に起こり、24人中19人が入院3日で発症した
・以下、死亡リスク
・1週間以内のSIRSの発生:OR = 2.12, 95 % CI 1.14–6.32, P < 0.001
・3日以内の臓器不全の発症:OR = 8.0, 95 % CI 2.2–12.3, P < 0.001
・1週間以内の多臓器不全の発症:OR = 9.4, 95 % CI 2.3–14.6, P < 0.001
・感染性壊死:OR = 1.28, 95 % CI 1.08–1.52, P = 0.02
・特発性の発症:OR = 17.3, 95 % CI 2.0–60.5, P < 0.001

Conclusion
・小児の致死率と合併症率は低い
・SIRS、早期臓器不全、MOF、感染性壊死、特発性は死亡リスクを上げる

Comment
当たり前と言えば当たり前ですが、特発性が予後悪いというのは勉強になりました。

胆道閉鎖症・葛西術後のステロイド投与 Int J Surg.

Postoperative steroids after Kasai portoenterostomy for biliary atresia: A systematic review.

Int J Surg. 2014 Sep 12;
Authors: Zhang D, Yang HY, Jia J, Zhao G, Yue M, Wang JX

Aim
・このsystematic reviewとmeta-analysisの目的は、葛西術後のステロイド投与が減黄、胆管炎、生存率に寄与しているかどうかを明らかにすることである

Methods
・BA、Portenterostomy、ステロイド、グルココルチコイド、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンという語を使って論文を検索
・Primary outcome:減黄率
・Secondary outcome:胆管炎発症率、生存率

Results
・10個のsystematic reviewと8個のmetaanalysisが該当
・ステロイド投与法はそれぞれのstudyで一貫性なし
・減黄率:有意差なし(1.95; 95% confidence interval [CI]: 0.91-4.11; P = 0.087)
・胆管炎発症率:有意差なし(0.75; 95% CI: 0.48-1.17; P = 0.202)
・自己肝生存:ステロイド→30 ( 56% )、非ステロイド→ 31 ( 48% )
・生存率はmetaanalysisのデータに適していなかった

Conclusion
・ 葛西術後のステロイド投与は減黄率、胆管炎発症率を改善させないかもしれないが、利用可能なevidenceは限られており、確実ではない
・今後の更なる検討を

Comment
Abstractではちょっと何とも言えない論文ですが、結果はステロイドの有効性を否定するものです。ステロイドの投与法のばらつきがどのくらいかが気になるところ。今までの報告もきちんと読んで解釈しなければいけませんな。

小児結腸ポリープの病態と治療に関する検討 日本大腸肛門病会誌

小児結腸ポリープの病態と治療に関する検討
日本大腸肛門病会誌 61:476―480,2008
はじめに
・26例中20例が男児、6例が女児
・初診時平均年齢は1-13歳、平均4歳対象と方法
・注腸造影が1st choice
・マルチスライスCTで補助診断
・直腸→経肛門的ポリープ切除
・S状結腸より上→内視鏡下polypectomy
・ファイバー:乳児→9mm上部用、幼児→11.2mm下部用
・大量出血をきたした巨大ポリープ症例で開腹に至っている

結果
・乳児症例はなし
・初発症状:下血 65.4%、ポリープ脱出 23.1%
・1例が自然脱落、2例で直腸脱と誤診された
・発生部位:肛門1、直腸7、S状結腸13、下行結腸1、横行結腸4
・前例が単発
・8-30mm(平均18.8mm)
・全例が若年性ポリープだが、1例にdysplastic changeあり

考察
・悪性化の可能性のある若年性ポリーポーシスとの鑑別が重要
・発がんのリスク因子:家族歴がありポリープ3個以上
・単発であれば癌化することはない
・有病率は2%
・発生年齢は3-5歳
・85%が直腸、S状結腸
・注腸造影が1st choiceだが糞便の誤認を避けるため、前処置はしっかりと

Comment
数ヶ月にわたる肛門出血で外来フォローしている方が直腸脱で数日前に救急外来を受診していました。ただし血便と直腸脱のタイミングはまったく一致しておらず。リンパ濾胞過形成かな?と思って経過をみていたのですが。やはりポリープでしょうかね。写真を撮ってもらったのですが遠景で鑑別はつきませんでした。外来で再現性はないので、今度は近景で撮ってきてもらおうと思います。そんなこんなでぱっと読んだ日本の論文です。

【後日談】お母さんが撮ってきた近景の写真を見るとやはりポリープでした。ちょっと嬉しかったです。

Double 90 Degrees Counterrotated End-to-End-Anastomosis 新しい腸管吻合法の実証研究 EJPS

Georg Thieme Verlag KG Stuttgart · New York
Double 90 Degrees Counterrotated End-to-End-Anastomosis: An Experimental Study of an Intestinal Anastomosis Technique

Philipp Holzner1, Birte Kulemann1, Gabriel Seifert1, Torben Glatz1, Sophia Chikhladze1, Jens Höppner1, Ulrich Hopt1, Sylvia Timme2, Peter Bronsert2, Olivia Sick1, Cheng Zhou3, Goran Marjanovic1
1Department of General and Visceral Surgery, University Hospital Freiburg, Freiburg, Germany
2Department of Pathology, Institute for Pathology, Freiburg, Germany
3Department of Minimally Invasive Surgery, Wuhan No. 1 Hospital, Wuhan, Hubei Province, China

Aim
・この論文の目的は、新しい吻合方法と従来の吻合の比較を明らかにすることである

Material and Methods
・32体のオスのWistar ratを3群にランダムに分けた
・実験(double 90 degrees inversely rotated)群10体、端々吻合群が10体、単層の側側吻合群が12体
・いずれの縫合も結節縫合で行った
・POD4に再開腹を行った
・破裂圧力、hydroxyproline濃度、半定量的な接着スコア、2つの組織学的な吻合部の治癒スコア(Chiuによる粘膜の治癒スコアとVerhofstadの全縫合接着スコア)を集計した

Results
・縫合不全は側側吻合群の1例にのみ発生した
・破裂圧力の中央値は、実験群で105mmHg(72-161mmHg)で、端々吻合群で164mmHg(99-210mmHg)有意に高く(p=0.021)、側側吻合群で81mmHg(59-122mmHg)と低かった(p=0.021)
・Hydroxiproline濃度は3群で違いはなかった
・接着スコアは実験群で2.5(1-3)、端々吻合群で2(1-2)、側側吻合群で3-4と有意に側側吻合群で高かった
・側側vs実験 p=0.02、側側vs端々 p<0.001
・Chiu scoreは実験群で最も高かった
・Verhofstad scoreは側側吻合群(mean 1.729)と端々吻合群(mean 1.571)と比べて有意に悪かった(mean 2.032、p = 0.031、 p = 0.002)

Conclusion
・新しい吻合方法は実現可能であり、合併症は認められなかった
・側側吻合に比べて機能的に安定している傾向があったが、 粘膜の治癒効果は最も悪かった
・構造的、機能的な吻合の安定性は古典的な端々吻合がまだfirst choiceであると考えられる